19.6. xml.dom — 文書オブジェクトモデル (DOM) API

バージョン 2.0 で追加.

文書オブジェクトモデル (Document Object Model)、すなわち “DOM” は、ワールドワイドウェブコンソーシアム (World Wide Web Consortium, W3C) による、XML ドキュメントにアクセスしたり変更を加えたりするための、プログラミング言語間共通の API です。DOM 実装によって、XML ドキュメントはツリー構造として表現されます。また、クライアントコード側でツリー構造をゼロから構築できるようになります。さらに、前述の構造に対して、よく知られたインタフェースをもつ一連のオブジェクトを通したアクセス手段も提供します。

DOM はランダムアクセスを行うアプリケーションで非常に有用です。SAX では、一度に閲覧することができるのはドキュメントのほんの一部分です。ある SAX 要素に注目している際には、別の要素をアクセスすることはできません。またテキストノードに注目しているときには、その中に入っている要素をアクセスすることができません。SAX によるアプリケーションを書くときには、プログラムがドキュメント内のどこを処理しているのかを追跡するよう、コードのどこかに記述する必要があります。SAX 自体がその作業を行ってくれることはありません。さらに、XML ドキュメントに対する先読み (look ahead) が必要だとすると不運なことになります。

アプリケーションによっては、ツリーにアクセスできなければイベント駆動モデルを実現できません。もちろん、何らかのツリーを SAX イベントに応じて自分で構築することもできるでしょうが、DOM ではそのようなコードを書かなくてもよくなります。DOM は XML データに対する標準的なツリー表現なのです。

文書オブジェクトモデルは、W3C によっていくつかの段階、W3C の用語で言えば “レベル (level)” で定義されています。Python においては、DOM API への対応付けは実質的には DOM レベル 2 勧告に基づいています。

DOM アプリケーションは、普通は XML を DOM に解析するところから始まります。どのようにして解析を行うかについては DOM レベル 1 では全くカバーしておらず、レベル 2 では限定的な改良だけが行われました: レベル 2 では Document を生成するメソッドを提供する DOMImplementation オブジェクトクラスがありますが、実装に依存しない方法で XML リーダ(reader)/パーザ(parser)/文書ビルダ (Document builder) にアクセスする方法はありません。また、既存の Document オブジェクトなしにこれらのメソッドにアクセスするような、よく定義された方法もありません。 Python では、各々の DOM 実装で getDOMImplementation() が定義されているはずです。 DOM レベル 3 ではロード(Load)/ストア(Store) 仕様が追加され、リーダのインタフェースにを定義していますが、Python 標準ライブラリではまだ利用することができません。

DOM 文書オブジェクトを生成したら、そのプロパティとメソッドを使って XML 文書の一部にアクセスできます。これらのプロパティは DOM 仕様で定義されています; 本リファレンスマニュアルでは、Python において DOM 仕様がどのように解釈されているかを記述しています。

W3C から提供されている仕様は、 DOM API を Java、ECMAScript、および OMG IDL で定義しています。ここで定義されている Python での対応づけは、大部分がこの仕様の IDL 版に基づいていますが、厳密な準拠は必要とされていません (実装で IDL の厳密な対応付けをサポートするのは自由ですが)。API への対応付けに関する詳細な議論は 適合性 を参照してください。

参考

Document Object Model (DOM) Level 2 Specification

Python DOM API が準拠している W3C 勧告。

Document Object Model (DOM) Level 1 Specification

xml.dom.minidom でサポートされている W3C の DOM に関する勧告。

Python Language Mapping Specification

このドキュメントでは OMG IDL から Python への対応付けを記述しています。

19.6.1. モジュールコンテンツ

xml.dom には以下の関数があります:

xml.dom.registerDOMImplementation(name, factory)

ファクトリ関数 (factory function) factory を名前 name で登録します。ファクトリ関数は DOMImplementation インタフェースを実装するオブジェクトを返さなければなりません。特定の実装 (例えば実装が何らかのカスタマイズをサポートしている場合) に適切となるように、ファクトリ関数は毎回同じオブジェクトを返したり、呼び出しごとに新しいオブジェクトを返したりすることが出来ます。

xml.dom.getDOMImplementation([name[, features]])

適切な DOM 実装を返します。name は、よく知られた DOM 実装のモジュール名か、 None になります。 None でない場合、対応するモジュールを import して、import が成功した場合 DOMImplementation オブジェクトを返します。 name が与えられておらず、環境変数 PYTHON_DOM が設定されていた場合、 DOM 実装を見つけるのに環境変数が使われます。

name が与えられない場合、利用可能な実装を調べて、指定された機能 (feature) セットを持つものを探します。実装が見つからなければ ImportError を送出します。 features のリストは (feature, version) のペアからなるシーケンスで、利用可能な DOMImplementation オブジェクトの hasFeature() メソッドに渡されます。

いくつかの便利な定数も提供されています:

xml.dom.EMPTY_NAMESPACE

DOM 内のノードに名前空間が何も関連づけられていないことを示すために使われる値です。この値は通常、ノードの namespaceURI の値として見つかったり、名前空間特有のメソッドに対する namespaceURI パラメタとして使われます。

バージョン 2.2 で追加.

xml.dom.XML_NAMESPACE

Namespaces in XML (4 節) で定義されている、予約済接頭辞 (reserved prefix) xml に関連付けられた名前空間 URI です。

バージョン 2.2 で追加.

xml.dom.XMLNS_NAMESPACE

Document Object Model (DOM) Level 2 Core Specification (1.1.8 節) で定義されている、名前空間宣言への名前空間 URI です。

バージョン 2.2 で追加.

xml.dom.XHTML_NAMESPACE

XHTML 1.0: The Extensible HyperText Markup Language (3.1.1 節) で定義されている、XHTML 名前空間 URI です。

バージョン 2.2 で追加.

加えて、 xml.dom には基底となる Node クラスと DOM 例外クラスが収められています。このモジュールで提供されている Node クラスは DOM 仕様で定義されているメソッドや属性は何ら実装していません; これらは具体的な DOM 実装において提供しなければなりません。このモジュールの一部として提供されている Node クラスでは、具体的な Node オブジェクトの nodeType 属性として使う定数を提供しています; これらの定数は、DOM 仕様に適合するため、クラスではなくモジュールのレベルに配置されています。

19.6.2. DOM 内のオブジェクト

DOM について最も明確に限定しているドキュメントは W3C による DOM 仕様です。

DOM 属性は単純な文字列としてだけではなく、ノードとして操作されるかもしれないので注意してください。とはいえ、そうしなければならない場合はかなり稀なので、今のところ記述されていません。

インタフェース

目的

DOMImplementation DOMImplementation オブジェクト

根底にある実装へのインタフェース。

Node Node オブジェクト

ドキュメント内の大部分のオブジェクトに対する基底インタフェース。

NodeList NodeList オブジェクト

ノード列に対するインタフェース。

DocumentType DocumentType オブジェクト

ドキュメントの処理に必要な宣言についての情報。

Document Document オブジェクト

ドキュメント全体を表現するオブジェクト。

Element Element オブジェクト

ドキュメント階層内の要素ノード。

Attr Attr オブジェクト

要素ノード上の属性値ノード。

Comment Comment オブジェクト

ソースドキュメント内のコメント表現。

Text Text オブジェクトおよび CDATASection オブジェクト

ドキュメント内のテキスト記述を含むノード。

ProcessingInstruction ProcessingInstruction オブジェクト

処理命令 (processing instruction) 表現。

さらに追加の節として、Python で DOM を利用するために定義されている例外について記述しています。

19.6.2.1. DOMImplementation オブジェクト

DOMImplementation インタフェースは、利用している DOM 実装において特定の機能が利用可能かどうかを決定するための方法をアプリケーションに提供します。DOM レベル 2 では、 DOMImplementation を使って新たな Document オブジェクトや DocumentType オブジェクトを生成する機能も追加しています。

DOMImplementation.hasFeature(feature, version)

機能名 feature とバージョン番号 version で識別される機能(feature)が実装されていれば真を返します。

DOMImplementation.createDocument(namespaceUri, qualifiedName, doctype)

新たな(DOMのスーパークラスである) Document クラスのオブジェクトを返します。このクラスは namespaceUriqualifiedName が設定された子クラス Element のオブジェクトを所有しています。 doctypecreateDocumentType() によって生成された DocumentType クラスのオブジェクト、または None である必要があります。 Python DOM APIでは、子クラスである Element を作成しないことを示すために、はじめの2つの引数を None に設定することができます。

DOMImplementation.createDocumentType(qualifiedName, publicId, systemId)

新たな DocumentType クラスのオブジェクトを返します。このオブジェクトは qualifiedNamepublicId 、そして systemId 文字列をふくんでおり、XML文書の形式情報を表現しています。

19.6.2.2. Node オブジェクト

XML 文書の全ての構成要素は Node のサブクラスです。

Node.nodeType

ノード (node) の型を表現する整数値です。型に対応する以下のシンボル定数: ELEMENT_NODEATTRIBUTE_NODETEXT_NODECDATA_SECTION_NODEENTITY_NODEPROCESSING_INSTRUCTION_NODECOMMENT_NODEDOCUMENT_NODEDOCUMENT_TYPE_NODENOTATION_NODE 、が Node オブジェクトで定義されています。読み出し専用の属性です。

Node.parentNode

現在のノードの親ノードか、文書ノードの場合には None になります。この値は常に Node オブジェクトか None になります。 Element ノードの場合、この値はルート要素 (root element) の場合を除き親要素 (parent element) となり、ルート要素の場合には Document オブジェクトとなります。 Attr ノードの場合、この値は常に None となります。読み出し専用の属性です。

Node.attributes

属性オブジェクトの NamedNodeMap です。要素だけがこの属性に実際の値を持ちます; その他のオブジェクトでは、この属性を None にします。読み出し専用の属性です。

Node.previousSibling

このノードと同じ親ノードを持ち、直前にくるノードです。例えば、self 要素のの開始タグの直前にくる終了タグを持つ要素です。もちろん、XML 文書は要素だけで構成されているだけではないので、直前にくる兄弟関係にある要素 (sibling) はテキストやコメント、その他になる可能性があります。このノードが親ノードにおける先頭の子ノードである場合、属性値は None になります。読み出し専用の属性です。

Node.nextSibling

このノードと同じ親ノードを持ち、直後にくるノードです。例えば、 previousSibling も参照してください。このノードが親ノードにおける末尾頭の子ノードである場合、属性値は None になります。読み出し専用の属性です。

Node.childNodes

このノード内に収められているノードからなるリストです。読み出し専用の属性です。

Node.firstChild

このノードに子ノードがある場合、その先頭のノードです。そうでない場合 None になります。読み出し専用の属性です。

Node.lastChild

このノードに子ノードがある場合、その末尾のノードです。そうでない場合 None になります。読み出し専用の属性です。

Node.localName

tagName にコロンがあれば、コロン以降の部分に、なければ tagName 全体になります。値は文字列です。

Node.prefix

tagName のコロンがあれば、コロン以前の部分に、なければ空文字列になります。値は文字列か、 None になります。

Node.namespaceURI

要素名に関連付けられた名前空間です。文字列か None になります。読み出し専用の属性です。

Node.nodeName

この属性はノード型ごとに異なる意味を持ちます; 詳しくは DOM 仕様を参照してください。この属性で得られることになる情報は、全てのノード型では tagName 、属性では name プロパティといったように、常に他のプロパティで得ることができます。全てのノード型で、この属性の値は文字列か None になります。読み出し専用の属性です。

Node.nodeValue

この属性はノード型ごとに異なる意味を持ちます; 詳しくは DOM 仕様を参照してください。その序今日は nodeName と似ています。この属性の値は文字列か None になります。

Node.hasAttributes()

ノードが何らかの属性を持っている場合に真を返します。

Node.hasChildNodes()

ノードが何らかの子ノードを持っている場合に真を返します。

Node.isSameNode(other)

other がこのノードと同じノードを参照している場合に真を返します。このメソッドは、何らかのプロキシ (proxy) 機構を利用するような DOM 実装で特に便利です (一つ以上のオブジェクトが同じノードを参照するかもしれないからです)。

注釈

このメソッドは DOM レベル 3 API で提案されており、まだ “ワーキングドラフト(working draft)” の段階です。しかし、このインタフェースだけは議論にはならないと考えられます。W3C による変更は必ずしも Python DOM インタフェースにおけるこのメソッドに影響するとは限りません (ただしこのメソッドに対する何らかの新たな W3C API もサポートされるかもしれません)。

Node.appendChild(newChild)

現在のノードの子ノードリストの末尾に新たな子ノードを追加し、newChild を返します。もしノードが既にツリーにあれば、最初に削除されます。

Node.insertBefore(newChild, refChild)

新たな子ノードを既存の子ノードの前に挿入します。 refChild は現在のノードの子ノードである場合に限られます; そうでない場合、 ValueError が送出されます。 newChild が返されます。もし refChildNone なら、 newChild を子ノードリストの最後に挿入します。

Node.removeChild(oldChild)

子ノードを削除します。 oldChild はこのノードの子ノードでなければなりません。そうでない場合、 ValueError が送出されます。成功した場合 oldChild が返されます。 oldChild をそれ以降使わない場合、 unlink() メソッドを呼び出さなければなりません。

Node.replaceChild(newChild, oldChild)

既存のノードと新たなノードを置き換えます。この操作は oldChild が現在のノードの子ノードである場合に限られます; そうでない場合、 ValueError が送出されます。

Node.normalize()

一続きのテキスト全体を一個の Text インスタンスとして保存するために隣接するテキストノードを結合します。これにより、多くのアプリケーションで DOM ツリーからのテキスト処理が簡単になります。

バージョン 2.1 で追加.

Node.cloneNode(deep)

このノードを複製 (clone) します。deep を設定すると、子ノードも同様に複製することを意味します。複製されたノードを返します。

19.6.2.3. NodeList オブジェクト

NodeList は、ノードからなるシーケンスを表現します。これらのオブジェクトは DOM コア勧告 (DOM Core recommendation) において、二通りに使われています: Element オブジェクトでは、子ノードのリストを提供するのに NodeList を利用します。また、このインタフェースにおける NodegetElementsByTagName() および getElementsByTagNameNS() メソッドは、クエリに対する結果を表現するのに NodeList を利用します。

DOM レベル 2 勧告では、これらのオブジェクトに対し、メソッドと属性を一つづつ定義しています:

NodeList.item(i)

シーケンスに i 番目の要素がある場合にはその要素を、そうでない場合には None を返します。 i はゼロよりも小さくてはならず、シーケンスの長さ以上であってはなりません。

NodeList.length

シーケンス中のノードの数です。

この他に、Python の DOM インタフェースでは、 NodeList オブジェクトを Python のシーケンスとして使えるようにするサポートが追加されていることが必要です。 NodeList の実装では、全て __len__()__getitem__() をサポートしなければなりません; このサポートにより、 for 文内で NodeList にわたる繰り返しと、組み込み関数 len() の適切なサポートができるようになります。

DOM 実装が文書の変更をサポートしている場合、 NodeList の実装でも __setitem__() および __delitem__() メソッドをサポートしなければなりません。

19.6.2.4. DocumentType オブジェクト

文書で宣言されている記法 (notation) やエンティティ (entity) に関する (外部サブセット(external subset) がパーザから利用でき、情報を提供できる場合にはそれも含めた) 情報は、 DocumentType オブジェクトから手に入れることができます。文書の DocumentType は、 Document オブジェクトの doctype 属性で入手することができます; 文書の DOCTYPE 宣言がない場合、文書の doctype 属性は、このインタフェースを持つインスタンスの代わりに None に設定されます。

DocumentTypeNode を特殊化したもので、以下の属性を加えています:

DocumentType.publicId

文書型定義 (document type definition) の外部サブセットに対する公開識別子 (public identifier) です。文字列または None になります。

DocumentType.systemId

文書型定義 (document type definition) の外部サブセットに対するシステム識別子 (system identifier) です。文字列の URI または None になります。

DocumentType.internalSubset

ドキュメントの完全な内部サブセットを与える文字列です。サブセットを囲むブラケットは含みません。ドキュメントが内部サブセットを持たない場合、この値は None です。

DocumentType.name

DOCTYPE 宣言でルート要素の名前が与えられている場合、その値になります。

DocumentType.entities

外部エンティティの定義を与える NamedNodeMap です。複数回定義されているエンティティに対しては、最初の定義だけが提供されます (その他は XML 勧告での要求仕様によって無視されます)。パーザによって情報が提供されないか、エンティティが定義されていない場合には、この値は None になることがあります。

DocumentType.notations

記法の定義を与える NamedNodeMap です。複数回定義されている記法名に対しては、最初の定義だけが提供されます (その他は XML 勧告での要求仕様によって無視されます)。パーザによって情報が提供されないか、エンティティが定義されていない場合には、この値は None になることがあります。

19.6.2.5. Document オブジェクト

Document は XML ドキュメント全体を表現し、その構成要素である要素、属性、処理命令、コメント等がを持ちます。 DocumentNode からプロパティを継承していることを思い出してください。

Document.documentElement

ドキュメントの唯一無二のルート要素です。

Document.createElement(tagName)

新たな要素ノードを生成して返します。要素は、生成された時点ではドキュメント内に挿入されません。 insertBefore()appendChild() のような他のメソッドの一つを使って明示的に挿入を行う必要があります。

Document.createElementNS(namespaceURI, tagName)

名前空間を伴う新たな要素ノードを生成して返します。 tagName には接頭辞 (prefix) があってもかまいません。要素は、生成された時点では文書内に挿入されません。 insertBefore()appendChild() のような他のメソッドの一つを使って明示的に挿入を行う必要があります。 appendChild().

Document.createTextNode(data)

引数として渡されたデータの入ったテキストノードを生成して返します。他の生成 (create) メソッドと同じく、このメソッドは生成されたノードをツリーに挿入しません。

Document.createComment(data)

引数として渡されたデータの入ったコメントノードを生成して返します。他の生成 (create) メソッドと同じく、このメソッドは生成されたノードをツリーに挿入しません。

Document.createProcessingInstruction(target, data)

引数として渡された target および data の入った処理命令ノードを生成して返します。他の生成 (create) メソッドと同じく、このメソッドは生成されたノードをツリーに挿入しません。

Document.createAttribute(name)

属性ノードを生成して返します。このメソッドは属性ノードを特定の要素に関連づけることはしません。新たに生成された属性インスタンスを使うには、適切な Element オブジェクトの setAttributeNode() を使わなければなりません。

Document.createAttributeNS(namespaceURI, qualifiedName)

名前空間を伴う新たな属性ノードを生成して返します。 tagName には接頭辞 (prefix) があってもかまいません。このメソッドは属性ノードを特定の要素に関連づけることはしません。新たに生成された属性インスタンスを使うには、適切な Element オブジェクトの setAttributeNode() を使わなければなりません。

Document.getElementsByTagName(tagName)

全ての下位要素 (直接の子要素、子要素の子要素等) から特定の要素型名を持つものを検索します。

Document.getElementsByTagNameNS(namespaceURI, localName)

全ての下位要素 (直接の子要素、子要素の子要素等) から特定の名前空間 URI とローカル名 (local name) を持つものを検索します。ローカル名は名前空間における接頭辞以降の部分です。

19.6.2.6. Element オブジェクト

ElementNode のサブクラスです。このため Node クラスの全ての属性を継承します。

Element.tagName

要素型名です。名前空間使用の文書では、要素型名中にコロンがあるかもしれません。値は文字列です。

Element.getElementsByTagName(tagName)

Document クラス内における同名のメソッドと同じです。

Element.getElementsByTagNameNS(namespaceURI, localName)

Document クラス内における同名のメソッドと同じです。

Element.hasAttribute(name)

指定要素に name で渡した名前の属性が存在していれば真を返します。

Element.hasAttributeNS(namespaceURI, localName)

指定要素に namespaceURIlocalName で指定した名前の属性が存在していれば真を返します。

Element.getAttribute(name)

name で指定した属性の値を文字列として返します。もし、属性が存在しない、もしくは属性に値が設定されていない場合、空の文字列が返されます。

Element.getAttributeNode(attrname)

attrname で指定された属性の Attr ノードを返します。

Element.getAttributeNS(namespaceURI, localName)

namespaceURIlocalName によって指定した属性の値を文字列として返します。もし、属性が存在しない、もしくは属性に値が設定されていない場合、空の文字列が返されます。

Element.getAttributeNodeNS(namespaceURI, localName)

指定した namespaceURI および localName を持つ属性値をノードとして返します。

Element.removeAttribute(name)

名前で指定された属性を削除します。該当する属性がない場合、NotFoundErr が送出されます。

Element.removeAttributeNode(oldAttr)

oldAttr が属性リストにある場合、削除して返します。 oldAttr が存在しない場合、 NotFoundErr が送出されます。

Element.removeAttributeNS(namespaceURI, localName)

名前で指定された属性を削除します。このメソッドは qname ではなく localName を使うので注意してください。該当する属性がなくても例外は送出されません。

Element.setAttribute(name, value)

文字列を使って属性値を設定します。

Element.setAttributeNode(newAttr)

新たな属性ノードを要素に追加します。 name 属性が既存の属性に一致した場合、必要に応じて属性を置換します。置換が行われると古い属性ノードが返されます。 newAttr がすでに使われていれば、 InuseAttributeErr が送出されます。

Element.setAttributeNodeNS(newAttr)

新たな属性ノードを要素に追加します。 namespaceURI および localName 属性が既存の属性に一致した場合、必要に応じて属性を置き換えます。置換が生じると、古い属性ノードが返されます。 newAttr がすでに使われていれば、 InuseAttributeErr が送出されます。

Element.setAttributeNS(namespaceURI, qname, value)

指定された namespaceURI および qname で与えられた属性の値を文字列で設定します。qname は属性の完全な名前であり、この点が上記のメソッドと違うので注意してください。

19.6.2.7. Attr オブジェクト

AttrNode を継承しており、全ての属性を継承しています。

Attr.name

要素型名です。名前空間使用の文書では、要素型名中にコロンが含まれるかもしれません。

Attr.localName

名前にコロンがあればコロン以降の部分に、なければ名前全体になります。

Attr.prefix

名前にコロンがあればコロン以前の部分に、なければ空文字列になります。

Attr.value

その要素の text value. これは nodeValue 属性の別名です。

19.6.2.8. NamedNodeMap Objects

NamedNodeMapNode を継承して いません

NamedNodeMap.length

属性リストの長さです。

NamedNodeMap.item(index)

特定のインデクスを持つ属性を返します。属性の並び方は任意ですが、 DOM 文書が生成されている間は一定になります。各要素は属性ノードです。属性値はノードの value 属性で取得してください。

このクラスをよりマップ型的な動作ができるようにする実験的なメソッドもあります。そうしたメソッドを使うこともできますし、 Element オブジェクトに対して、標準化された getAttribute*() ファミリのメソッドを使うこともできます。

19.6.2.9. Comment オブジェクト

Comment は XML 文書中のコメントを表現します。 CommentNode のサブクラスですが、子ノードを持つことはありません。

Comment.data

文字列によるコメントの内容です。この属性には、コメントの先頭にある <!- - と末尾にある - -> 間の全ての文字が入っていますが、<!- -- -> 自体は含みません。

19.6.2.10. Text オブジェクトおよび CDATASection オブジェクト

Text インタフェースは XML 文書内のテキストを表現します。パーザおよび DOM 実装が DOM の XML 拡張をサポートしている場合、 CDATA でマークされた区域 (section) に入れられている部分テキストは CDATASection オブジェクトに記憶されます。これら二つのインタフェースは同一のものですが、 nodeType 属性が異なります。

これらのインタフェースは Node インタフェースを拡張したものです。しかし子ノードを持つことはできません。

Text.data

文字列によるテキストノードの内容です。

注釈

CDATASection ノードの利用は、ノードが完全な CDATA マーク区域を表現するという意味ではなく、ノードの内容が CDATA 区域の一部であるということを意味するだけです。単一の CDATA セクションは文書ツリー内で複数のノードとして表現されることがあります。二つの隣接する CDATASection ノードが、異なる CDATA マーク区域かどうかを決定する方法はありません。

19.6.2.11. ProcessingInstruction オブジェクト

XML 文書内の処理命令を表現します; Node インタフェースを継承していますが、子ノードを持つことはできません。

ProcessingInstruction.target

最初の空白文字までの処理命令の内容です。読み出し専用の属性です。

ProcessingInstruction.data

最初の空白文字以降の処理命令の内容です。

19.6.2.12. 例外

バージョン 2.1 で追加.

DOM レベル 2 勧告では、単一の例外 DOMException と、どの種のエラーが発生したかをアプリケーションが決定できるようにする多くの定数を定義しています。 DOMException インスタンスは、特定の例外に関する適切な値を提供する code 属性を伴っています。

Python DOM インタフェースでは、上記の定数を提供していますが、同時に一連の例外を拡張して、DOM で定義されている各例外コードに対して特定の例外が存在するようにしています。 DOM の実装では、適切な特定の例外を送出しなければならず、各例外は code 属性に対応する適切な値を伴わなければなりません。

exception xml.dom.DOMException

全ての特定の DOM 例外で使われている基底例外クラスです。この例外クラスを直接インスタンス化することはできません。

exception xml.dom.DomstringSizeErr

指定された範囲のテキストが文字列に収まらない場合に送出されます。この例外は Python の DOM 実装で使われるかどうかは判っていませんが、Python で書かれていない DOM 実装から送出される場合があります。

exception xml.dom.HierarchyRequestErr

挿入できない型のノードを挿入しようと試みたときに送出されます。

exception xml.dom.IndexSizeErr

メソッドに与えたインデクスやサイズパラメタが負の値や許容範囲の値を超えた際に送出されます。

exception xml.dom.InuseAttributeErr

文書中にすでに存在する Attr ノードを挿入しようと試みた際に送出されます。

exception xml.dom.InvalidAccessErr

パラメタまたは操作が根底にあるオブジェクトでサポートされていない場合に送出されます。

exception xml.dom.InvalidCharacterErr

この例外は、文字列パラメタが、現在使われているコンテキストで XML 1.0 勧告によって許可されていない場合に送出されます。例えば、要素型に空白の入った Element ノードを生成しようとすると、このエラーが送出されます。

exception xml.dom.InvalidModificationErr

ノードの型を変更しようと試みた際に送出されます。

exception xml.dom.InvalidStateErr

定義されていないオブジェクトや、もはや利用できなくなったオブジェクトを使おうと試みた際に送出されます。

exception xml.dom.NamespaceErr

Namespaces in XML に照らして許可されていない方法でオブジェクトを変更しようと試みた場合、この例外が送出されます。

exception xml.dom.NotFoundErr

参照しているコンテキスト中に目的のノードが存在しない場合に送出される例外です。例えば、 NamedNodeMap.removeNamedItem() は渡されたノードがノードマップ中に存在しない場合にこの例外を送出します。

exception xml.dom.NotSupportedErr

要求された方のオブジェクトや操作が実装でサポートされていない場合に送出されます。

exception xml.dom.NoDataAllowedErr

データ属性をサポートしないノードにデータを指定した際に送出されます。

exception xml.dom.NoModificationAllowedErr

オブジェクトに対して (読み出し専用ノードに対する修正のように) 許可されていない修正を行おうと試みた際に送出されます。

exception xml.dom.SyntaxErr

無効または不正な文字列が指定された際に送出されます。

exception xml.dom.WrongDocumentErr

ノードが現在属している文書と異なる文書に挿入され、かつある文書から別の文書へのノードの移行が実装でサポートされていない場合に送出されます。

DOM 勧告で定義されている例外コードは、以下のテーブルに従って上記の例外と対応付けられます:

定数

例外

DOMSTRING_SIZE_ERR DomstringSizeErr
HIERARCHY_REQUEST_ERR HierarchyRequestErr
INDEX_SIZE_ERR IndexSizeErr
INUSE_ATTRIBUTE_ERR InuseAttributeErr
INVALID_ACCESS_ERR InvalidAccessErr
INVALID_CHARACTER_ERR InvalidCharacterErr
INVALID_MODIFICATION_ERR InvalidModificationErr
INVALID_STATE_ERR InvalidStateErr
NAMESPACE_ERR NamespaceErr
NOT_FOUND_ERR NotFoundErr
NOT_SUPPORTED_ERR NotSupportedErr
NO_DATA_ALLOWED_ERR NoDataAllowedErr
NO_MODIFICATION_ALLOWED_ERR NoModificationAllowedErr
SYNTAX_ERR SyntaxErr
WRONG_DOCUMENT_ERR WrongDocumentErr

19.6.3. 適合性

この節では適合性に関する要求と、Python DOM API、W3C DOM 勧告、および OMG IDL の Python API への対応付けとの間の関係について述べます。

19.6.3.1. 型の対応付け

DOM 仕様で使われているプリミティブな IDL 型は、以下のテーブルに従って Python の型に対応付けられています。

IDL 型

Python の型

boolean

IntegerType (値 0 または 1) による

int IntegerType
long int IntegerType
unsigned int IntegerType

さらに、勧告で定義されている DOMString は、Python 文字列または Unicode 文字列に対応付けられます。アプリケーションでは、 DOM から文字列が返される際には常に Unicode を扱えなければなりません。

IDL の null 値は None に対応付けられており、 API で null の使用が許されている場所では常に受理されるか、あるいは実装によって提供されるはずです。

19.6.3.2. アクセサメソッド

OMG IDL から Python への対応付けは、IDL attribute 宣言へのアクセサ関数の定義を、Java による対応付けが行うのとほとんど同じように行います。IDL 宣言の対応付け

readonly attribute string someValue;
         attribute string anotherValue;

は、三つのアクセサ関数: someValue に対する “get” メソッド (_get_someValue())、そして anotherValue に対する “get” および “set” メソッド (_get_anotherValue() および _set_anotherValue()) を生成します。とりわけ、対応付けでは、IDL 属性が通常の Python 属性としてアクセス可能であることは必須ではありません: object.someValue が動作することは必須 ではなくAttributeError を送出してもかまいません。

しかしながら、Python DOM API では、通常の属性アクセスが動作することが必須です。これは、Python IDL コンパイラによって生成された典型的なサロゲーションはまず動作することはなく、DOM オブジェクトが CORBA を解してアクセスされる場合には、クライアント上でラッパオブジェクトが必要であることを意味します。CORBA DOM クライアントでは他にもいくつか考慮すべきことがある一方で、CORBA を介して DOM を使った経験を持つ実装者はこのことを問題視していません。readonly であると宣言された属性は、全ての DOM 実装で書き込みアクセスを制限しているとは限りません。

Python DOM API では、アクセサ関数は必須ではありません。アクセサ関数が提供された場合、Python IDL 対応付けによって定義された形式をとらなければなりませんが、属性は Python から直接アクセスすることができるので、それらのメソッドは必須ではないと考えられます。readonly であると宣言された属性に対しては、 “set” アクセサを提供してはなりません。

このIDLでの定義はW3C DOM APIの全ての要件を実装しているわけではありません。例えば、一部のオブジェクトの概念や getElementsByTagName() が “live” であることなどです。 Python DOM API はこれらの要件を実装することを強制しません。