2. 組み込み関数

Python インタプリタには数多くの関数と型が組み込まれており、いつでも利用できます。それらをここにアルファベット順に挙げます。

組み込み関数

abs() dict() help() min() setattr()
all() dir() hex() next() slice()
any() divmod() id() object() sorted()
ascii() enumerate() input() oct() staticmethod()
bin() eval() int() open() str()
bool() exec() isinstance() ord() sum()
bytearray() filter() issubclass() pow() super()
bytes() float() iter() print() tuple()
callable() format() len() property() type()
chr() frozenset() list() range() vars()
classmethod() getattr() locals() repr() zip()
compile() globals() map() reversed() __import__()
complex() hasattr() max() round()  
delattr() hash() memoryview() set()  
abs(x)

数の絶対値を返します。引数は整数または浮動小数点数です。引数が複素数なら、その絶対値 (magnitude) が返されます。

all(iterable)

iterable の全ての要素が真ならば (もしくは iterable が空ならば) True を返します。以下のコードと等価です:

def all(iterable):
    for element in iterable:
        if not element:
            return False
    return True
any(iterable)

iterable のいずれかの要素が真ならば True を返します。 iterable が空なら False を返します。 以下のコードと等価です:

def any(iterable):
    for element in iterable:
        if element:
            return True
    return False
ascii(object)

repr() と同様、オブジェクトの印字可能な表現を含む文字列を返しますが、repr() によって返された文字列中の非 ASCII 文字は \x\u\u エスケープを使ってエスケープされます。これは Python 2 の repr() によって返されるのと同じ文字列を作ります。

bin(x)

整数を二進文字列に変換します。結果は Python の式としても使える形式になります。 x が Python の int オブジェクトでなければ、整数を返す __index__() メソッドが定義されていなければなりません。

bool([x])

標準の 真理値判定 で、値をブールに変換します: x が偽または省略されていれば、 False を返します; そうでなければ True を返します。 bool はクラスでもあり、int のサブクラスです (数値型 int, float, complex を参照してください)。 クラス bool はそれ以上サブクラス化できません。このクラスのインスタンスは FalseTrue だけです (ブール値 を参照してください)。

bytearray([source[, encoding[, errors]]])

新しいバイトの配列を返します。 bytearray 型は範囲 0 <= x < 256 の整数のミュータブルなシーケンスです。これは、 ミュータブルなシーケンス型 で書かれているような、ミュータブルなシーケンスの通常のメソッドのほとんどを持ちますし、 bytes と bytearray の操作 にあるような、 bytes 型が持つメソッドのほとんども持ちます。

オプションの source パラメタは、配列を異なる方法で初期化するのに使われます:

  • それが 文字列 なら、 encoding (と、オプションの errors) パラメタも与えなければなりません。このとき bytearray() は文字列を str.encode() でバイトに変換して返します。

  • それが 整数 なら、配列はそのサイズになり、null バイトで初期化されます。

  • それが バッファ インタフェースに適合するオブジェクトなら、そのオブジェクトの読み込み専用バッファがバイト配列の初期化に使われます。

  • それが イテラブル なら、それは範囲 0 <= x < 256 内の整数のイテラブルであることが必要で、それらが配列の初期の内容として使われます。。

引数がなければ、長さ 0 の配列が生成されます。

バイナリシーケンス型 — bytes, bytearray, memoryviewbytearray オブジェクト も参照してください。

bytes([source[, encoding[, errors]]])

範囲 0 <= x < 256 の整数のイミュータブルなシーケンスである “bytes” オブジェクトを返します。 bytesbytearray のイミュータブル版です。オブジェクトを変化させないようなメソッドや、インデクシングやスライシングのふるまいは、これと同様のものです。

従って、コンストラクタ引数は bytearray() のものと同様に解釈されます。

バイト列オブジェクトはリテラルでも生成できます。 文字列およびバイト列リテラル を参照してください。

バイナリシーケンス型 — bytes, bytearray, memoryview, bytes, bytes と bytearray の操作 も参照してください。

callable(object)

object 引数が呼び出し可能オブジェクトであれば True を、そうでなければ False を返します。この関数が真を返しても、呼び出しは失敗する可能性がありますが、偽であれば、 object の呼び出しは決して成功しません。なお、クラスは呼び出し可能 (クラスを呼び出すと新しいインスタンスを返します) です。また、インスタンスはクラスが __call__() メソッドを持つなら呼び出し可能です。

バージョン 3.2 で追加: この関数は Python 3.0 で一度取り除かれましたが、 Python 3.2 で復活しました。

chr(i)

Unicode コードポイントが整数 i となるような文字 1 字を表す文字列を返します。例えば、 chr(97) は文字列 'a' を返します。これは ord() の逆です。有効な引数の範囲は 0 から 1,114,111 (十六進数で 0x10FFFF) です; i が範囲外であれば ValueError が送出されます。

classmethod(function)

function のクラスメソッドを返します。

クラスメソッドは、インスタンスメソッドが暗黙の第一引数としてインスタンスをとるように、第一引数としてクラスをとります。クラスメソッドを宣言するには、以下のイディオムを使います:

class C:
    @classmethod
    def f(cls, arg1, arg2, ...): ...

@classmethod 形式は関数デコレータ (decorator) です。詳しくは 関数定義 の関数定義の説明を参照してください。

これは (C.f() のように) クラスでも (C().f() のように) インスタンスでも呼び出せます。インスタンスはそのクラスが何であるかを除いて無視されます。クラスメソッドが派生クラスに対して呼び出された場合、その派生クラスオブジェクトが暗黙の第一引数として渡されます。

クラスメソッドは C++ や Java の静的メソッドとは異なります。静的メソッドは、この節の staticmethod() を参照してください。

クラスメソッドについて詳しい情報は、 標準型の階層 の標準型階層のドキュメントを参照下さい。

compile(source, filename, mode, flags=0, dont_inherit=False, optimize=-1)

source をコード、もしくは、 AST オブジェクトにコンパイルします。 コードオブジェクトは exec()eval() で実行できます。 source は通常の文字列、byte string、 AST オブジェクトのいずれでもかまいません。 AST オブジェクトの使用方法は、ast モジュールのドキュメントを参照してください。

filename 引数には、コードの読み出し元のファイルを与えなければなりません; ファイルから読み出されるのでなければ、認識可能な値を渡して下さい ('<string>' が一般的に使われます) 。

mode 引数は、コンパイルされるコードの種類を指定します; source が一連の文から成るなら 'exec' 、単一の式から成るなら 'eval' 、単一の対話的文の場合 'single' です。 (後者の場合、評価が None 以外である式文が印字されます)。

オプション引数 flags および dont_inherit は、 string のコンパイルにどの future 文 (PEP 236 参照) を作用させるかを制御します。どちらも与えらていない (または両方ともゼロ) ならば、コンパイルを呼び出している側のコードで有効な future 文を有効にして string をコンパイルします。 flags が与えられていて、dont_inherit は与えられていない (またはゼロ) ならば、それに加えて flags に指定された future 文が使われます。 dont_inherit がゼロでない整数ならば、 flags の値そのものが使われ、コンパイルの呼び出して周辺で有効な future 文は無視されます。

future 文はビットフィールドで指定されます。ビットフィールドはビット単位の OR を取ることで複数の文を指定することができます。特定の機能を指定するために必要なビットフィールドは、__future__ モジュールの _Feature インスタンスにおける compiler_flag 属性で得られます。

引数 optimize は、コンパイラの最適化レベルを指定します; デフォルトの値 -1 は、インタプリタの -O オプションで与えられるのと同じ最適化レベルを選びます。明示的なレベルは、 0 (最適化なし、 __debug__ は真)、 1 (assert は取り除かれ、 __debug__ は偽)、 2 (docstring も取り除かれる) です。

この関数は、コンパイルするソースが不正である場合 SyntaxError を、ソースがヌルバイトを含む場合 TypeError を送出します。

注釈

複数行に渡るコードの文字列を 'single''eval' モードでコンパイルするとき、入力は一つ以上の改行文字で終端されなければなりません。これは、 code モジュールで不完全な文と完全な文を検知しやすくするためです。

バージョン 3.2 で変更: Windows や Mac の改行も受け付けます。また 'exec' モードでの入力が改行で終わっている必要もありません。 optimize 引数が追加されました。

complex([real[, imag]])

real + imag*j の複素数を生成するか、文字列や数を複素数に変換します。第一引数が文字列なら、それが複素数と解釈され、この関数は第二引数無しで呼び出されなければなりません。第二引数は文字列であってはなりません。それぞれの引数は (複素数を含む) 任意の数値型です。 imag が省略された場合、標準の値はゼロで、この関数は int()float() のような数値変換関数としてはたらきます。両方の引数が省略された場合、 0j を返します。

注釈

文字列から変換するとき、その文字列は中央の +- 演算子の周りに空白を含んではなりません。例えば、complex('1+2j') はいいですが、complex('1 + 2j')ValueError を送出します。

複素数型については 数値型 int, float, complex に説明があります。

delattr(object, name)

setattr() の親戚です。引数はオブジェクトと文字列です。文字列はオブジェクトの属性のうち一つの名前でなければなりません。この関数は、オブジェクトが許すなら、指名された属性を削除します。例えば、 delattr(x, 'foobar')del x.foobar と等価です。

dict(**kwarg)
dict(mapping, **kwarg)
dict(iterable, **kwarg)

新しい辞書を作成します。 dict オブジェクトは辞書クラスです。このクラスに関するドキュメンテーションは dictマッピング型 — dict を参照してください。

他のコンテナについては、 ビルトインの list, set, tuple クラスおよび collections モジュールを参照してください。

dir([object])

引数がない場合、現在のローカルスコープにある名前のリストを返します。引数がある場合、そのオブジェクトの有効な属性のリストを返そうと試みます。

オブジェクトが __dir__() という名のメソッドを持つなら、そのメソッドが呼び出され、属性のリストを返さなければなりません。これにより、カスタムの __getattr__()__getattribute__() 関数を実装するオブジェクトは、dir() が属性を報告するやり方をカスタマイズできます。

オブジェクトが __dir__() を提供していない場合、定義されていればオブジェクトの __dict__ 属性から、そして型オブジェクトから、情報を収集しようと試みます。結果のリストは完全であるとは限らず、また、カスタムの __getattr__() を持つ場合、不正確になるかもしれません。

デフォルトの dir() メカニズムは、完全というより最重要な情報を作成しようとするため、異なる型のオブジェクトでは異なって振る舞います:

  • オブジェクトがモジュールオブジェクトの場合、リストにはモジュールの属性の名前が含まれます。

  • オブジェクトが型オブジェクトやクラスオブジェクトの場合、リストにはその属性と、再帰的にたどったその基底クラスの属性が含まれます。

  • それ以外の場合には、リストにはオブジェクトの属性名、クラス属性名、再帰的にたどった基底クラスの属性名が含まれます。

返されるリストはアルファベット順に並べられています。例えば:

>>> import struct
>>> dir()   # show the names in the module namespace
['__builtins__', '__name__', 'struct']
>>> dir(struct)   # show the names in the struct module 
['Struct', '__all__', '__builtins__', '__cached__', '__doc__', '__file__',
 '__initializing__', '__loader__', '__name__', '__package__',
 '_clearcache', 'calcsize', 'error', 'pack', 'pack_into',
 'unpack', 'unpack_from']
>>> class Shape:
...     def __dir__(self):
...         return ['area', 'perimeter', 'location']
>>> s = Shape()
>>> dir(s)
['area', 'location', 'perimeter']

注釈

dir() は主に対話プロンプトでの使用に便利なように提供されているので、厳密性や一貫性を重視して定義された名前のセットというよりも、むしろ興味を引くような名前のセットを返そうとします。また、この関数の細かい動作はリリース間で変わる可能性があります。例えば、引数がクラスであるとき、メタクラス属性は結果のリストに含まれません。

divmod(a, b)

2 つの (複素数でない) 数を引数として取り、整数の除法を行ったときの商と剰余からなる対を返します。混合した被演算子型では、 二項算術演算子での規則が適用されます。整数では、結果は (a // b, a % b) と同じです。浮動小数点数では、結果は (q, a % b) で、ここで q は通常 math.floor(a / b) ですが、それより 1 小さくなることもあります。いずれにせよ、 q * b + a % ba に非常に近く、 a % b がゼロでなければその符号は b と同じで、 0 <= abs(a % b) < abs(b) です。

enumerate(iterable, start=0)

enumerate オブジェクトを返します。 iterable は、シーケンスか iterator か、あるいはその他のイテレーションをサポートする何らかのオブジェクトでなければなりません。 enumerate() によって返されたイテレータの __next__() メソッドは、 (デフォルトでは 0 となる start からの) カウントと、 iterable 上のイテレーションによって得られた値を含むタプルを返します。

>>> seasons = ['Spring', 'Summer', 'Fall', 'Winter']
>>> list(enumerate(seasons))
[(0, 'Spring'), (1, 'Summer'), (2, 'Fall'), (3, 'Winter')]
>>> list(enumerate(seasons, start=1))
[(1, 'Spring'), (2, 'Summer'), (3, 'Fall'), (4, 'Winter')]

次と等価です:

def enumerate(sequence, start=0):
    n = start
    for elem in sequence:
        yield n, elem
        n += 1
eval(expression, globals=None, locals=None)

文字列とオプションの引数 globalslocals をとります。 globals を与える場合は辞書でなくてはなりません。 locals を与える場合は任意のマッピングオブジェクトにできます。

expression 引数は Python 式 (技術的にいうと、条件のリスト) として解析され評価されます。このとき辞書 globals および locals はそれぞれグローバルおよびローカルな名前空間として使われます。 global 辞書が与えられ、 ‘__builtins__’ が欠けている場合、 expression が解析される前に現在のグローバル変数が globals にコピーされます。よって、 expression は通常、標準の builtins モジュールへの完全なアクセスを有し、制限された環境は伝播します。 locals 辞書が省略された場合、デフォルトは globals 辞書です。辞書が両方とも省略された場合、表現式は eval() が呼び出されている環境の下で実行されます。構文エラーは例外として報告されます。例:

>>> x = 1
>>> eval('x+1')
2

この関数は (compile() で生成されるような) 任意のコードオブジェクトを実行するのにも利用できます。この場合、文字列の代わりにコードオブジェクトを渡します。このコードオブジェクトが、引数 mode'exec' としてコンパイルされている場合、 eval() が返す値は None になります。

ヒント: 文の動的な実行は exec() 関数でサポートされています。globals() および locals() 関数は、それぞれ現在のグローバルおよびローカルな辞書を返すので、それを eval()exec() で使うことができます。

リテラルだけを含む式の文字列を安全に評価できる関数、 ast.literal_eval() も参照してください。

exec(object[, globals[, locals]])

この関数は Python コードの動的な実行をサポートします。 object は文字列かコードオブジェクトでなければなりません。文字列なら、その文字列は一連の Python 文として解析され、そして (構文エラーが生じない限り) 実行されます。 [1] コードオブジェクトなら、それは単純に実行されます。どの場合でも、実行されるコードはファイル入力として有効であることが期待されます (リファレンスマニュアルの節 “file-input” を参照)。なお、 return および yield 文は、 exec() 関数に渡されたコードの文脈中においてさえ、関数定義の外では使えません。返り値は None です。

いずれの場合でも、オプションの部分が省略されると、コードは現在のスコープ内で実行されます。 globals だけが与えられたなら、辞書でなくてはならず、グローバル変数とローカル変数の両方に使われます。globalslocals が与えられたなら、それぞれグローバル変数とローカル変数として使われます。 locals を指定する場合は何らかのマップ型オブジェクトでなければなりません。モジュールレベルでは、グローバルとローカルは同じ辞書です。exec が globalslocals として別のオブジェクトを取った場合、コードはクラス定義に埋め込まれたかのように実行されます。

globals 辞書がキー __builtins__ に対する値を含まなければ、そのキーに対して、組み込みモジュール builtins の辞書への参照が挿入されます。ですから、実行されるコードを exec() に渡す前に、 globals に自作の __builtins__ 辞書を挿入することで、コードがどの組み込みを利用できるか制御できます。

注釈

組み込み関数 globals() および locals() は、それぞれ現在のグローバルおよびローカルの辞書を返すので、それらを exec() の第二、第三引数にそのまま渡して使うと便利なことがあります。

注釈

標準では locals は後に述べる関数 locals() のように動作します: 標準の locals 辞書に対する変更を試みてはいけません。 execfile() の呼び出しが返る時にコードが locals に与える影響を知りたいなら、明示的に loacals 辞書を渡してください。

filter(function, iterable)

iterable の要素のうち function が真を返すものでイテレータを構築します。 iterable はシーケンスか、反復をサポートするコンテナか、イテレータです。 functionNone なら、恒等関数を仮定します。すなわち、 iterable の偽である要素がすべて除去されます。

なお、 filter(function, iterable) は、関数が None でなければジェネレータ式 (item for item in iterable if function(item)) と同等で、関数が None なら (item for item in iterable if item) と同等です。

function が偽を返すような iterable の各要素を返す補完的関数は、 itertools.filterfalse() を参照下さい。

float([x])

文字列または数を浮動小数点数に変換します。

引数が文字列なら、十進数を含んでいるべきです。先頭に符号が付いていたり、空白中に埋め込まれていてもかまいません。符号として '+''-' を追加できます。 '+' は、作られる値に何の影響も与えません。引数は NaN (not-a-number) や正負の無限大を表す文字列でもかまいません。詳細には、入力は、前後の空白を取り除いた後に、以下の文法に従わなければなりません:

sign           ::=  "+" | "-"
infinity       ::=  "Infinity" | "inf"
nan            ::=  "nan"
numeric_value  ::=  floatnumber | infinity | nan
numeric_string ::=  [sign] numeric_value

ここで floatnumber浮動小数点数リテラル で記述されている Python の浮動小数点数リテラルです。大文字か小文字かは関係なく、例えば “inf”、 “Inf”、 “INFINITY” 、 “iNfINity” は全て正の無限大として使える綴りです。

一方で、引数が整数または浮動小数点数なら、(Python の浮動小数点数の精度で) 同じ値の浮動小数点数が返されます。引数が Python の浮動小数点数の範囲外なら、 OverflowError が送出されます。

一般の Python オブジェクト x に対して、 float(x)x.__float__() に移譲します。

引数が与えられなければ、 0.0 が返されます。

例:

>>> float('+1.23')
1.23
>>> float('   -12345\n')
-12345.0
>>> float('1e-003')
0.001
>>> float('+1E6')
1000000.0
>>> float('-Infinity')
-inf

浮動小数点数型については、 数値型 int, float, complex も参照下さい。

format(value[, format_spec])

valueformat_spec で制御される “フォーマット化” 表現に変換します。 format_spec の解釈は value 引数の型に依存しますが、ほとんどの組み込み型で使われる標準的な構文が存在します: 書式指定ミニ言語仕様 (Format Specification Mini-Language)

デフォルトの format_spec は空の文字列です。それは通常 str(value) の呼び出しと同じ結果になります。

format(value, format_spec) の呼び出しは、 type(value).__format__(format_spec) に翻訳され、これは value の __format__() メソッドの検索をするとき、インスタンス辞書を回避します。このメソッドが見つからなかったり、 format_spec や返り値が文字列でなかったりしたら、 TypeError が送出されます。

frozenset([iterable])

新しい frozenset オブジェクトを返します。オプションで iterable から得られた要素を含みます。 frozenset はビルトインクラスです。このクラスに関するドキュメントは frozenset集合型 — set, frozenset を参照してください。

他のコンテナについては、ビルトインクラス set, list, tuple, dictcollections モジュールを見てください。

getattr(object, name[, default])

object の指名された属性の値を返します。 name は文字列でなくてはなりません。文字列がオブジェクトの属性の一つの名前であった場合、戻り値はその属性の値になります。例えば、 getattr(x, 'foobar')x.foobar と等価です。指名された属性が存在しない場合、 default が与えられていればそれが返され、そうでない場合には AttributeError が送出されます。

globals()

現在のグローバルシンボルテーブルを表す辞書を返します。これは常に現在のモジュール (関数やメソッドの中では、それを呼び出したモジュールではなく、それを定義しているモジュール) の辞書です。

hasattr(object, name)

引数はオブジェクトと文字列です。文字列がオブジェクトの属性名の一つであった場合 True を、そうでない場合 False を返します (この関数は、 getattr(object, name) を呼び出して AttributeError を送出するかどうかを見ることで実装されています)。

hash(object)

オブジェクトのハッシュ値を (存在すれば) 返します。ハッシュ値は整数です。これらは辞書を検索する際に辞書のキーを高速に比較するために使われます。等しい値となる数値は等しいハッシュ値を持ちます (1 と 1.0 のように型が異なっていてもです)。

注釈

独自の __hash__() メソッドを実装したオブジェクトを使う場合、hash() が実行するマシンのビット幅に合わせて戻り値を切り捨てることに注意してください。詳しくは __hash__() を参照してください。

help([object])

組み込みヘルプシステムを起動します。 (この関数は対話的な使用のためのものです)。引数が与えられていない場合、対話的ヘルプシステムはインタプリタコンソール上で起動します。引数が文字列の場合、文字列はモジュール、関数、クラス、メソッド、キーワード、またはドキュメントの項目名として検索され、ヘルプページがコンソール上に印字されます。引数がその他のオブジェクトの場合、そのオブジェクトに関するヘルプページが生成されます。

この関数は、 site モジュールから、組み込みの名前空間に移されました。

hex(x)

Convert an integer number to a lowercase hexadecimal string prefixed with “0x”, for example:

>>> hex(255)
'0xff'
>>> hex(-42)
'-0x2a'

If x is not a Python int object, it has to define an __index__() method that returns an integer.

See also int() for converting a hexadecimal string to an integer using a base of 16.

注釈

浮動小数点数の十六進文字列表記を得たい場合には、 float.hex() メソッドを使って下さい。

id(object)

オブジェクトの “識別値” を返します。この値は整数で、このオブジェクトの有効期間中は一意かつ定数であることが保証されています。有効期間が重ならない 2 つのオブジェクトは同じ id() 値を持つかもしれません。

CPython implementation detail: This is the address of the object in memory.

input([prompt])

引数 prompt が存在すれば、それが末尾の改行を除いて標準出力に書き出されます。次に、この関数は入力から 1 行を読み込み、文字列に変換して (末尾の改行を除いて) 返します。 EOF が読み込まれたとき、 EOFError が送出されます。例:

>>> s = input('--> ')  
--> Monty Python's Flying Circus
>>> s  
"Monty Python's Flying Circus"

readline モジュールが読み込まれていれば、 input() はそれを使って精緻な行編集やヒストリ機能を提供します。

int(x=0)
int(x, base=10)

数値または文字列の x を整数に変換します。引数が与えられない場合には 0 を返します。 x が数値である場合は x.__int__() を返します。浮動小数点数については、これは 0 の方へ切り詰めます。

x が数値でない場合、あるいは base が与えられた場合、 x は基数 baseinteger literal で表された文字列、 bytes あるいは bytearray のインスタンスでなければなりません。オプションで、リテラルの前に + あるいは - を (中間のスペースなしで) 付けることができます。また、リテラルは余白で囲むことができます。基数 n のリテラルは 0 から n-1 の数字で構成され、値 10-35 を持つ a から z (または A から Z) を含みます。デフォルトの base は 10 です。許される値は 0 と 2-36 です。基数 2, 8, 16 のリテラルは、オプションでコード中の整数リテラルのように 0b/0B, 0o/0O, or 0x/0X を前に付けることができます。基数 0 はコードリテラルとして正確に解釈することを意味します。その結果、実際の基数は 2, 8, 10, 16 のどれかです。したがって int('010', 0) は有効ではありませんが、 int('010')int('010', 8) は有効です。

整数型については、 数値型 int, float, complex も参照下さい。

isinstance(object, classinfo)

object 引数が classinfo 引数のインスタンスであるか、 (直接、間接、または 仮想) サブクラスのインスタンスならば真を返します。 object が与えられた型のオブジェクトでないなら、この関数は常に偽を返します。 classinfo がクラス (型オブジェクト) でないなら、型オブジェクトのタプルにしたり、そのような他のタプル (それ以外のシーケンス型は受け付けられません) を再帰的に含められます。 classinfo が型、型やそのようなタプルのタプルのいずれでもなければ、 TypeError 例外が送出されます。

issubclass(class, classinfo)

classclassinfo の (直接、間接、または 仮想) サブクラスであれば真を返します。クラスはそれ自身のサブクラスとみなされます。 classinfo はクラスオブジェクトからなるタプルでもよく、この場合には classinfo のすべてのエントリが調べられます。その他の場合には、例外 TypeError が送出されます。

iter(object[, sentinel])

イテレータ (iterator) オブジェクトを返します。 第二引数があるかどうかで、第一引数の解釈は非常に異なります。 第二引数がない場合、 object は反復プロトコル (__iter__() メソッド) か、シーケンスプロトコル (引数が 0 から開始する __getitem__() メソッド) をサポートする集合オブジェクトでなければなりません。これらのプロトコルが両方ともサポートされていない場合、 TypeError が送出されます。 第二引数 sentinel が与えられているなら、 object は呼び出し可能オブジェクトでなければなりません。この場合に生成されるイテレータは、 __next__() を呼ぶ毎に o を引数無しで呼び出します。返された値が sentinel と等しければ、 StopIteration が送出され、そうでなければ、戻り値がそのまま返されます。

イテレータ型 も見てください。

iter() の2つめの形式の便利な使用法の一つは、ファイルの行を特定の行まで読み進めることです。以下の例では readline() が空文字列を返すまでファイルを読み進めます:

with open('mydata.txt') as fp:
    for line in iter(fp.readline, ''):
        process_line(line)
len(s)

オブジェクトの長さ (要素の数) を返します。引数はシーケンス (文字列、タプル、またはリスト) かマッピング (辞書) です。

list([iterable])

これは関数ではなく、 リストシーケンス型 — list, tuple, range でドキュメント化されているように、 list は実際にはミュータブルなシーケンス型です。

locals()

現在のローカルシンボルテーブルを表す辞書を更新して返します。関数ブロックで locals() を呼び出した場合自由変数が返されます、クラスブロックでは返されません。

注釈

この辞書の内容は変更してはいけません; 変更しても、インタプリタが使うローカル変数や自由変数の値には影響しません。

map(function, iterable, ...)

function を、結果を返しながら iterable の全ての要素に適用するイテレータを返します。追加の iterable 引数が渡されたなら、 function はその数だけの引数を取らなければならず、全てのイテラブルから並行して取られた要素に適用されます。複数のイテラブルが与えられたら、このイテレータはその中の最短のイテラブルが尽きた時点で止まります。関数の入力がすでに引数タプルに配置されている場合は、 itertools.starmap() を参照してください。

max(iterable, *[, key])
max(arg1, arg2, *args[, key])

iterable の中で最大の要素、または2つ以上の引数の中で最大のものを返します。

キーワード無しの引数が1つだけ与えられた場合、 iterable は空でない (文字列、タプル、リストなどの) iterable でなくてはいけません。 iterable の最大の要素が返されます。 2 つ以上のキーワード無しの引数が与えられた場合、その引数の中で最大のものが返されます。

オプションのキーワード専用 key 引数は、 list.sort() で使われるもののような 1 引数の順序付け関数を指定します。

最大の要素が複数あるとき、この関数はそのうち最初に現れたものを返します。これは、 sorted(iterable, key=keyfunc, reverse=True)[0]heapq.nlargest(1, iterable, key=keyfunc) のような、他のソート安定性を保存するツールと両立します。

memoryview(obj)

与えられたオブジェクトから作られた “メモリビュー” オブジェクトを返します。詳しくは メモリビュー を参照してください。

min(iterable, *[, key])
min(arg1, arg2, *args[, key])

iterable の中で最小の要素、または2つ以上の引数の中で最小のものを返します。

キーワード無しの引数が1つだけ与えられた場合、 iterable は空でない (文字列、タプル、リストなどの) iterable でなくてはいけません。 iterable の最小の要素が返されます。 2 つ以上のキーワード無しの引数が与えられた場合、その引数の中で最小のものが返されます。

オプションのキーワード専用 key 引数は、 list.sort() で使われるもののような 1 引数の順序付け関数を指定します。

最小の要素が複数あるとき、この関数はそのうち最初に現れたものを返します。これは、 sorted(iterable, key=keyfunc)[0]heapq.nsmallest(1, iterable, key=keyfunc) のような、他のソート安定性を保存するツールと両立します。

next(iterator[, default])

iterator__next__() メソッドを呼び出すことにより、次の要素を取得します。イテレータが尽きていたなら、 default が与えられていればそれが返され、そうでなければ StopIteration が送出されます。

object()

特徴を持たない新しいオブジェクトを返します。 object() は全てのクラスの基底クラスです。これは、 Python のクラスの全てのインスタンスに共通のメソッド群を持ちます。この関数はいかなる引数も受け付けません。

注釈

object__dict__持たない ので、 object クラスのインスタンスに任意の属性を代入することはできません。

oct(x)

整数を八進文字列に変換します。結果は Python の式としても使える形式になります。 x が Python の int オブジェクトでなければ、整数値を返す __index__() メソッドが定義されていなければなりません。

open(file, mode='r', buffering=-1, encoding=None, errors=None, newline=None, closefd=True, opener=None)

file を開き、ファイルオブジェクト file object を返します。ファイルが開けなければ、OSError が送出されます。

file は、文字列またはバイト列オブジェクトで開くファイルの (絶対または現在のワーキングディレクトリに対する相対) パス名を与えるものか、または、ファイルをラップする整数のファイルディスクリプタです。 (ファイルディスクリプタが与えられた場合は、それは closefdFalse に設定されていない限り、返された I/O オブジェクトが閉じられるときに閉じられます。)

mode はオプションの文字列で、ファイルが開かれるモードを指定します。デフォルトは 'r' で、読み込みようにテキストモードで開くという意味です。その他のよく使われる値は、書き込み (ファイルがすでに存在すれば切り詰められます) の 'w'、排他的な生成の 'x'、追記の ‘a’ です (いくつかの Unix システムでは、 全て の書き込みが現在のファイルシーク位置に関係なくファイルの末尾に追加されます)。テキストモードでは、encoding が指定されていない場合に使われるエンコーディングはプラットフォーム依存です: 現在のロケールエンコーディングを得るのに locale.getpreferredencoding(False) が使われます。(生バイト列の読み書きには、バイナリモードを使い、encoding は指定しないでください。) 利用できるモードは:

文字

意味

'r'

読み込み用に開く (デフォルト)

'w'

書き込み用に開き、ファイルはまず切り詰められる

'x'

排他的な生成に開き、ファイルが存在する場合は失敗する

'a'

書き込み用に開き、ファイルが存在する場合は末尾に追記する

'b'

バイナリモード

't'

テキストモード (デフォルト)

'+'

ディスクファイルを更新用に開く (読み込み/書き込み)

'U'

ユニバーサル改行モード (後方互換性のためのものです; 新しいコードでは使うべきでありません)

デフォルトのモードは 'r' (開いてテキストの読み込み、 'rt' と同義) です。バイナリの読み書きアクセスには、モード 'w+b' はファイルを開いて 0 バイトに切り詰めます。 'r+b' はファイルを切り詰めずに開きます。

概要 で触れられているように、Python はバイナリとテキストの I/O を区別します。(mode 引数に 'b' を含めて) バイナリモードで開かれたファイルは、内容をいかなるデコーディングもせずに bytes オブジェクトとして返します。(デフォルトや、 mode 引数に 't' が含まれたときの) テキストモードでは、ファイルの内容は str として返され、バイト列はまず、プラットフォーム依存のエンコーディングか、与えられたなら指定された encoding で、デコードされます。

注釈

Python は、下にあるオペレーティングシステムがテキストファイルをどう認識するかには依存しません; すべての処理は Python 自身で行われ、よってプラットフォーム非依存です。

buffering はオプションの整数で、バッファリングの方針を設定するのに使われます。バッファリングを無効にする (バイナリモードでのみ有効) には 0 、 行単位バッファリング (テキストモードでのみ有効) には 1 、固定値のチャンクバッファの大きさをバイト単位で指定するには 1 以上の整数を渡してください。 buffering 引数が与えられていないとき、デフォルトのバッファリング方針は以下のように働きます:

  • バイナリファイルは固定長のチャンクでバッファリングされます; バッファの大きさは、下にあるデバイスの “block size” 、あるいは予備として io.DEFAULT_BUFFER_SIZE を特定することにより、発見的に選ばれます。多くのシステムでは、バッファの長さは概して 4096 か 8192 バイトになるでしょう。

  • 「対話的な」テキストファイル (isatty()True を返すファイル) は行バッファリングを行います。 その他のテキストファイルは、上で説明されたバイナリファイルのためのポリシーを使用します。

encoding はファイルのエンコードやデコードに使われるエンコーディングの名前です。このオプションはテキストモードでのみ使用されるべきです。デフォルトエンコーディングはプラットフォーム依存 (locale.getpreferredencoding() が返すもの) ですが、Pythonでサポートされているエンコーディングはどれでも使えます。詳しくは codecs モジュール内のサポートしているエンコーディングのリストを参照してください。

errors はオプションの文字列で、エンコードやデコードでのエラーをどのように扱うかを指定するものです。バイナリモードでは使用できません。様々な標準のエラーハンドラが使用可能ですが、 codecs.register_error() に登録されているエラー処理の名前も使用可能です。以下は、標準のエラーハンドラの名前です:

  • 'strict' はエンコーディングエラーがあると例外 ValueError を発生させます。デフォルト値である None も同じ効果です。

  • 'ignore' はエラーを無視します。エンコーディングエラーを無視することで、データを失うかもしれないことに注意してください。

  • 'replace' では不正な形式のデータが存在した場所に、('?' のような) 置換マーカーを挿入するようになります。

  • 'surrogateescape' は正しくないバイト列を、Unicode の Private Use Area (私用領域) にある U+DC80 から U+DCFF のコードポイントで示します。データを書き込む際に surrogateescape エラーハンドラが使われると、これらの私用コードポイントは元と同じバイト列に変換されます。これはエンコーディングが不明なファイルを処理するのに便利です。

  • 'xmlcharrefreplace' はファイルへの書き込み時のみサポートされます。そのエンコーディングでサポートされない文字は、&#nnn; 形式の適切な XML 文字参照で置換されます。

  • 'backslashreplace' (同じく書き込み時のみサポート) は、サポートされない文字を Python のバックスラッシュつきのエスケープシーケンスで置換します。

newlineuniversal newlines モードがどのように働くかを制御します (テキストモードでのみはたらきます)。これは None, '', '\n', '\r', '\r\n' のいずれかです。これは以下のようにはたらきます:

  • ストリームからの入力の読み込み時、newlineNone であれば、ユニバーサル改行モードが有効になります。入力中の行は '\n', '\r', または '\r\n' で終端され、呼び出し元に返される前に '\n' に切り詰められます。 '' なら、ユニバーサル改行モードは有効になりますが、行末は翻訳されずに呼び出し元に返されます。その他の正当な値なら、入力行は与えられた文字列でのみ終端され、行末は翻訳されずに呼び出し元に返されます。

  • ストリームへの出力の書き込み時、newlineNone であれば、書かれたすべての '\n' 文字はシステムデフォルトの行セパレータ os.linesep に翻訳されます。 newline'' または '\n' なら、翻訳はなされません。newline がその他の正当な値なら、すべての '\n' 文字は与えられた文字列に翻訳して書き出されます。

もし closefdFalse で、ファイル名ではなくてファイル記述子が与えられていた場合、処理中のファイル記述子はファイルが閉じられた後も開いたままとなります。もしファイル名が与えられていた場合は、 closefd は関係ありません。しかし True でなければなりません (デフォルト値)。

呼び出し可能オブジェクトを opener として与えることで、カスタムのオープナーが使えます。そしてファイルオブジェクトの基底のファイルディスクリプタは、opener を (file, flags) で呼び出して得られます。opener はa開いたファイルディスクリプタを返さなければなりません。 (os.openopener として渡すと、None を渡したのと同様の機能になります。)

次の例は os.open() 関数の dir_fd 引数を使い、与えられたディレクトリからの相対パスで指定されたファイルを開きます。

>>> import os
>>> dir_fd = os.open('somedir', os.O_RDONLY)
>>> def opener(path, flags):
...     return os.open(path, flags, dir_fd=dir_fd)
...
>>> with open('spamspam.txt', 'w', opener=opener) as f:
...     print('This will be written to somedir/spamspam.txt', file=f)
...
>>> os.close(dir_fd)  # don't leak a file descriptor

バージョン 3.3 で変更: opener 引数が追加されました。 'x' モードが追加されました。

open() 関数によって返される file object の型は、モードに依存します。 open() がファイルをテキストモード ('w', 'r', 'wt', 'rt', など) で開くのに使われたとき、これは io.TextIOBase (特に io.TextIOWrapper) のサブクラスを返します。実際のクラスは様々です: 読み込みバイナリモードでは、 io.BufferedReader を返します; 書き込みバイナリモードや追記バイナリモードでは、io.BufferedWriter を返します; そして読み書きモードでは、io.BufferedRandom を返します。バッファリングが無効なときは、生ストリーム、io.RawIOBase のサブクラスである、io.FileIO が返されます。

fileinput 、(open() が宣言された場所である) ioosos.pathtempfileshutil などの、ファイル操作モジュールも参照してください。

バージョン 3.3 で変更: 送出する例外は IOError が使われていますが、これは現在は OSError のエイリアスです。 排他的な生成モード ('x') で開いたファイルが既に存在していた場合、現在では FileExistsError が送出されます。

ord(c)

1 文字の Unicode 文字を表す文字列に対し、その文字の Unicode コードポイントを表す整数を返します。例えば、 ord('a') は整数 97 を返し、 ord('\u2020')8224 を返します。これは chr() の逆です。

pow(x, y[, z])

xy 乗を返します; z があれば、 xy 乗に対する z のモジュロを返します (pow(x, y)% z より効率よく計算されます)。二引数の形式 pow(x, y) は、冪乗演算子を使った x**y と等価です。

引数は数値型でなくてはなりません。型混合の場合、二項算術演算における型強制規則が適用されます。 int 被演算子に対しては、第二引数が負でない限り、結果は (型強制後の) 被演算子と同じ型になります; 負の場合、全ての引数は浮動小数点に変換され、浮動小数点の結果が返されます。例えば、 10**2100 を返しますが、 10**-20.01 を返します。第二引数が負の場合、第三引数は省略しなければなりません。 z がある場合、 x および y は整数型でなければならず、 y は非負でなくてはなりません。

print(*objects, sep=' ', end='\n', file=sys.stdout, flush=False)

object (複数でも可) を sep で区切りながらストリーム file に表示し、最後に end を表示します。 sep, end そして file が与えられる場合、キーワード引数として与えられる必要があります。

キーワードなしの引数はすべて、 str() がするように文字列に変換され、 sep で区切られながらストリームに書き出され、最後に end が続きます。 sepend の両方とも、文字列でなければなりません; または None にすれば、デフォルトの値が使われます。 objects が与えられなければ、 print()end だけを書き出します。

file 引数は、 write(string) メソッドを持つオブジェクトでなければなりません。指定されないか、 None であったら、 sys.stdout が使われます。出力がバッファ化されるかどうかは通常 file で決まりますが、 flush キーワード引数が真ならストリームは強制的にフラッシュされます。

バージョン 3.3 で変更: キーワード引数 flush が追加されました。

property(fget=None, fset=None, fdel=None, doc=None)

property 属性を返します。

fget は属性値を取得するための関数で、同様に fset は設定するための関数、 fdel は削除するための関数です。典型的な使用法は、属性 x の処理の定義です:

class C:
    def __init__(self):
        self._x = None

    def getx(self):
        return self._x
    def setx(self, value):
        self._x = value
    def delx(self):
        del self._x
    x = property(getx, setx, delx, "I'm the 'x' property.")

cC のインスタンスならば、 c.x は getter を呼び出し、 c.x = value は setter を、 del c.x は deleter を呼び出します。

doc は、与えられれば property 属性のドキュメント文字列になります。 与えられなければ、 property は fget のドキュメント文字列(もしあれば)をコピーします。 これにより、 property() をデコレータ (decorator) として使い、簡単に読み取り専用 property を作れます:

class Parrot:
    def __init__(self):
        self._voltage = 100000

    @property
    def voltage(self):
        """Get the current voltage."""
        return self._voltage

とすると、 voltage() が同じ名前の読み取り専用属性の “getter” になります。

property オブジェクトは、デコレータとして利用できる getter, setter, deleter メソッドを持っています。 これらのメソッドは、元の property に加えて、デコレートした関数を対応するアクセッサに設定した新しい property を生成します。 これを説明するには、以下の例が最適でしょう:

class C:
    def __init__(self):
        self._x = None

    @property
    def x(self):
        """I'm the 'x' property."""
        return self._x

    @x.setter
    def x(self, value):
        self._x = value

    @x.deleter
    def x(self):
        del self._x

このコードは最初の例と等価です。追加の関数には、必ず元のプロパティと同じ名前 (この例では x) を与えて下さい。

返される属性も、コンストラクタの引数に対応した fget, fset, および fdel 属性を持ちます。

range(stop)
range(start, stop[, step])

range は、実際には関数ではなくイミュータブルなシーケンス型で、 rangeシーケンス型 — list, tuple, range にドキュメント化されています。

repr(object)

オブジェクトの印字可能な表現を含む文字列を返します。この関数は多くの型について、 eval() に渡されたときと同じ値を持つようなオブジェクトを表す文字列を生成しようとします。そうでない場合は、山括弧に囲まれたオブジェクトの型の名前と追加の情報 (大抵の場合はオブジェクトの名前とアドレスを含みます) を返します。クラスは、 __repr__() メソッドを定義することで、この関数によりそのクラスのインスタンスが返すものを制御することができます。

reversed(seq)

要素を逆順に取り出すイテレータ (reverse iterator) を返します。 seq__reversed__() メソッドを持つオブジェクトであるか、シーケンス型プロトコル (__len__() メソッド、および、 0 から始まる整数を引数にとる __getitem__() メソッド) をサポートしていなければなりません。

round(number[, ndigits])

number を小数点以下 ndigits 桁に丸めた浮動小数点数の値を返します。 ndigits が省略されると、デフォルトの 0 が使われます。 number.__round__(ndigits) に委譲します。

round() をサポートする組み込み型では、値は 10 のマイナス ndigits 乗の倍数の中で最も近いものに丸められます; 二つの倍数が同じだけ近いなら、偶数を選ぶ方に (ですから例えば、 round(0.5)round(-0.5) は両方とも 0 に、 round(1.5)2 に) 丸められます。返り値は 1 引数で呼ばれたなら整数、そうでなければ number と同じ型です。

注釈

浮動小数点数に対する round() の振る舞いは意外なものかもしれません: 例えば、 round(2.675, 2) は予想通りの 2.68 ではなく 2.67 を与えます。これはバグではありません: これはほとんどの小数が浮動小数点数で正確に表せないことの結果です。詳しくは 浮動小数点演算、その問題と制限 を参照してください。

set([iterable])

オプションで iterable の要素を持つ、新しい set オブジェクトを返します。 set は組み込みクラスです。このクラスについて詳しい情報は set集合型 — set, frozenset を参照してください。

他のコンテナについては collections モジュールや組み込みの frozensetlisttupledict クラスを参照してください。

setattr(object, name, value)

getattr() の相方です。引数はオブジェクト、文字列、それから任意の値です。文字列は既存の属性または新たな属性の名前にできます。この関数は指定したオブジェクトが許せば、値を属性に関連付けます。例えば、 setattr(x, 'foobar', 123)x.foobar = 123 と等価です。

slice(stop)
slice(start, stop[, step])

range(start, stop, step) で指定されるインデクスの集合を表す、スライス (slice) オブジェクトを返します。引数 start および step はデフォルトでは None です。スライスオブジェクトは読み出し専用の属性 startstop および step を持ち、これらは単に引数で使われた 値 (またはデフォルト値) を返します。これらの値には、その他のはっきりと した機能はありません。しかしながら、これらの値は Numerical Python および、その他のサードパーティによる拡張で利用されています。スライスオブジェクトは拡張されたインデクス指定構文が使われる際にも生成されます。例えば a[start:stop:step]a[start:stop, i] です。この関数の代替となるイテレータを返す関数、itertools.islice() も参照してください。

sorted(iterable[, key][, reverse])

iterable の要素を並べ替えた新たなリストを返します。

二つのオプション引数があり、これらはキーワード引数として指定されなければなりません。

key は 1 つの引数からなる関数を指定します。これはリストの各要素から比較のキーを取り出すのに使われます: key=str.lower 。デフォルト値は None です (要素を直接比較します)。

reverse はブール値です。 True に設定された場合、リストの要素は各比較が反転したように並び替えられます。

旧式の cmp 関数を key 関数に変換するには functools.cmp_to_key() を使用してください。

並ベ替えの例と簡潔なチュートリアルとして、 Sorting HowTo を参照して下さい。

staticmethod(function)

function の静的メソッドを返します。

静的メソッドは暗黙の第一引数を受け取りません。静的メソッドを宣言するには、このイディオムを使ってください:

class C:
    @staticmethod
    def f(arg1, arg2, ...): ...

@staticmethod は関数デコレータ (decorator) 形式です。詳しくは 関数定義 の関数定義の説明を参照してください。

これは (C.f() のように) クラスでも (C().f() のように) インスタンスでも呼び出せます。インスタンスはそのクラスが何であるかを除いて無視されます。

Python における静的メソッドは Java や C++ における静的メソッドと類似しています。クラスコンストラクタの代替を生成するのに役立つ変種、 classmethod() も参照してください。

静的メソッドについて詳しくは、 標準型の階層 の標準型階層についてのドキュメントを繙いてください。

str(object='')
str(object=b'', encoding='utf-8', errors='strict')

objectstr 版を返します。詳細は str() を参照してください。

str は組み込みの文字列 クラス です。文字列に関する一般的な情報は、テキストシーケンス型 — str を参照してください。

sum(iterable[, start])

startiterable の要素を左から右へ合計し、総和を返します。 start はデフォルトで 0 です。 iterable の要素は通常は数値で、start の値は文字列であってはなりません。

使う場面によっては、 sum() よりもいい選択肢があります。文字列からなるシーケンスを結合する高速かつ望ましい方法は ''.join(sequence) を呼ぶことです。浮動小数点数値を拡張された精度で加算するには、 math.fsum() を参照下さい。一連のイテラブルを連結するには、 itertools.chain() の使用を考えてください。

super([type[, object-or-type]])

メソッドの呼び出しを type の親または兄弟クラスに委譲するプロキシオブジェクトを返します。これはクラスの中でオーバーライドされた継承メソッドにアクセスするのに便利です。探索の順序は、 type 自身が飛ばされるのをのぞいて getattr() で使われるのと同じです。

type__mro__ 属性は、 getattr()super() の 両方で使われる、メソッド解決の探索順序を列記します。 この属性は動的で、継承の階層構造が更新されれば、随時変化します。

第二引数が省かれたなら、返されるスーパーオブジェクトは束縛されません。第二引数がオブジェクトであれば、 isinstance(obj, type) は真でなければなりません。第二引数が型であれば、 issubclass(type2, type) は真でなければなりません (これはクラスメソッドに役に立つでしょう)。

super の典型的な用途は 2 つあります。単一の継承をしているクラス階層構造では、 super は名前を明示することなく親クラスを参照するのに使え、それゆえコードをメンテナンスしやすくなります。この用途は他のプログラミング言語で見られる super の用途に近い方向性です。

2 つ目の用途は、動的な実行環境下での複数の継承の共同をサポートすることです。この用途は Python 特有で、静的にコンパイルされる言語や、単一の継承しかサポートしない言語では見られないものです。これは複数の基底クラスが同じメソッドを実装する “diamond diagram” を実装できるようにします。良い設計のために、このメソッドがすべての場合に同じ形式で呼び出せるべきです (理由は、呼び出しの順序が実行時に決定されることや、順序がクラスの階層の変更に対応することや、その順序には実行時まで未知の兄弟クラスが含まれえることです)。

両方のケースにおいて、典型的なスーパークラスの呼び出しはこのようになるでしょう:

class C(B):
    def method(self, arg):
        super().method(arg)    # This does the same thing as:
                               # super(C, self).method(arg)

なお、super()super(C, self).__getitem__(name) のような明示的なドット表記属性探索の束縛処理の一部として使うように実装されています。これは、 __getattribute__() メソッドを予測可能な順序でクラスを検索するように実装し、協調的な多重継承をサポートすることで実現されています。従って、 super()super()[name] のような文や演算子を使った暗黙の探索向けには定義されていません。

また、 super() の使用は引数無しの形式を除きメソッド内部に限定されないことにも注目して下さい。2引数の形式は、必要な要素を正確に指定するので、適当な参照を作ることができます。クラス定義中における引数無しの形式は、定義されているクラスを取り出すのに必要な詳細を、通常の方法で現在のインスタンスにアクセスするようにコンパイラが埋めるのではたらきます。

super() を用いて協調的なクラスを設計する方法の実践的な提案は、 guide to using super() を参照してください。

tuple([iterable])

tuple は、実際は関数ではなくイミュータブルなシーケンス型で、タプルシーケンス型 — list, tuple, range にドキュメント化されています。

type(object)
type(name, bases, dict)

引数が1つだけの場合、object の型を返します。返り値は型オブジェクトで、一般に object.__class__ によって返されるのと同じオブジェクトです。

オブジェクトの型の判定には、 isinstance() 組み込み関数を使うことが推奨されます。これはサブクラスを考慮するからです。

引数が3つの場合、新しい型オブジェクトを返します。本質的には class 文の動的な形式です。name 文字列はクラス名で、__name__ 属性になります。bases タプルは基底クラスの羅列で、__bases__ 属性になります。dict 辞書はクラス本体の定義を含む名前空間で、__dict__ attribute 属性になります。たとえば、以下の二つの文は同じ type オブジェクトを作ります:

>>> class X:
...     a = 1
...
>>> X = type('X', (object,), dict(a=1))

型オブジェクト も見てください。

vars([object])

モジュール、クラス、インスタンス、あるいはそれ以外の __dict__ 属性を持つオブジェクトの、__dict__ 属性を返します。

モジュールやインスタンスのようなオブジェクトには、更新可能な __dict__ 属性があります。しかし、それ以外のオブジェクトでは __dict__ 属性への書き込みに制限があるかもしれません。書き込みに制限がある例としては、辞書を直接更新されることを防ぐために dictproxy を使っているクラスがあります。

引数がなければ、vars()locals() のように振る舞います。ただし、辞書 locals への更新は無視されるため、辞書 locals は読み出し時のみ有用であることに注意してください。

zip(*iterables)

それぞれのイテラブルから要素を集めたイテレータを作ります。

この関数はタプルのイテレータを返し、その i 番目のタプルは引数シーケンスまたはイテラブルそれぞれの i 番目の要素を含みます。このイテレータは、入力のイテラブルの中で最短のものが尽きたときに止まります。単一のイテラブル引数が与えられたときは、 1-タプルのイテレータを返します。引数がなければ、空のイテレータを返します。次と等価です:

def zip(*iterables):
    # zip('ABCD', 'xy') --> Ax By
    sentinel = object()
    iterators = [iter(it) for it in iterables]
    while iterators:
        result = []
        for it in iterators:
            elem = next(it, sentinel)
            if elem is sentinel:
                return
            result.append(elem)
        yield tuple(result)

イテラブルの左から右への評価順序が保証されます。そのため zip(*[iter(s)]*n) を使ってデータ系列を n 長のグループにクラスタリングできます。

zip() は、等しくない長さの入力に対しては、長い方のイテラブルの、終端の対にならない値を気にしないのでなければ、使うべきではありません。そのような値が重要なら、かわりに itertools.zip_longest() を使ってください。

zip() に続けて * 演算子を使うと、zip したリストを元に戻せます。

>>> x = [1, 2, 3]
>>> y = [4, 5, 6]
>>> zipped = zip(x, y)
>>> list(zipped)
[(1, 4), (2, 5), (3, 6)]
>>> x2, y2 = zip(*zip(x, y))
>>> x == list(x2) and y == list(y2)
True
__import__(name, globals=None, locals=None, fromlist=(), level=0)

注釈

これは importlib.import_module() とは違い、日常の Python プログラミングでは必要ない高等な関数です。

この関数は import 文により呼び出されます。 (builtins モジュールをインポートして builtins.__import__ に代入することで) この関数を置き換えて import 文のセマンティクスを変更することができますが、同様のことをするのに通常はインポートフック (PEP 302 参照) を利用する方が簡単で、かつデフォルトのインポート実装が使用されていることを仮定するコードとの間で問題が起きないので、このやり方は 強く 推奨されません。 __import__() を直接使用することも推奨されず、 importlib.import_module() の方が好まれます。

この関数は、モジュール name をインポートし、 globalslocals が与えられれば、パッケージのコンテキストで名前をどう解釈するか決定するのに使います。 fromlistname で与えられるモジュールからインポートされるべきオブジェクトまたはサブモジュールの名前を与ます。標準の実装では locals 引数はまったく使われず、 globalsimport 文のパッケージコンテキストを決定するためにのみ使われます。

level は絶対と相対どちらのインポートを使うかを指定します。 0 (デフォルト) は絶対インポートのみ実行します。正の level の値は、 __import__() を呼び出したディレクトリから検索対象となる親ディレクトリの数を示します (詳細は PEP 328 を参照してください)。

name 変数が package.module 形式であるとき、通常は、 name で指名されたモジュール ではなく 、最上位のパッケージ (最初のドットまでの名前) が返されます。しかしながら、空でない fromlist 引数が与えられると、 name で指名されたモジュールが返されます。

例えば、文 import spam は、以下のコードのようなバイトコードに帰結します:

spam = __import__('spam', globals(), locals(), [], 0)

import spam.ham は、この呼び出しになります:

spam = __import__('spam.ham', globals(), locals(), [], 0)

ここで __import__() がどのように最上位モジュールを返しているかに注意して下さい。 import 文により名前が束縛されたオブジェクトになっています。

一方で、文 from spam.ham import eggs, sausage as saus は、以下となります

_temp = __import__('spam.ham', globals(), locals(), ['eggs', 'sausage'], 0)
eggs = _temp.eggs
saus = _temp.sausage

ここで、__import__() から spam.ham モジュールが返されます。このオブジェクトから、インポートされる名前が取り出され、それぞれの名前として代入されます。

単純に名前からモジュール (パッケージの範囲内であるかも知れません) をインポートしたいなら、 importlib.import_module() を使ってください。

バージョン 3.3 で変更: 負の level の値はサポートされなくなりました。(デフォルト値の 0 に変更されます)

脚注

[1]

なお、パーサは Unix スタイルの行末の記法しか受け付けません。コードをファイルから読んでいるなら、必ず、改行変換モードで Windows や Mac スタイルの改行を変換してください。